食洗機は、「付けてよかった、必需品」という人と、「結局いらなかった」という人に、はっきり分かれる設備です。新築のオプションや、後付けで迷うときほど、どちらに近いのかを事前に見極めたいところです。この記事では、使われなくなる理由、光熱費と初期費用の数字、そして5つの基準で、つける・つけないを判断する方法を整理します。

結論:使う場面が多い家庭ほど、つける価値が高い

  • 4人前後の家族で、毎日自炊し、1日2回は洗うなら、つける価値が高い
  • 1〜2人暮らし、外食が多い、洗う食器が少ないなら、いらなかったと感じやすい
  • 迷うときは、新築なら給排水と専用電源だけ先に用意し、本体は後から付ける方法がある。工事不要の卓上タイプで試すこともできる

「いらなかった」と感じる理由

食洗機を持っていても、使わなくなる人はいます。ベルメゾン生活スタイル研究所の2018年の調査(女性会員2,230人)では、食洗機を持っている人は約3分の1で、その4人に1人ほどが使っていないと答えました。使わない理由は、「時間がかかる」が最も多く、次いで「少量だと効率が悪い」でした。

注目したいのは、入居前から備え付けられていた食洗機は、使われない割合が高く、自分で選んで後から買った人は、使っている割合が高いという傾向です。「あるから使う」ではなく、「必要だから選ぶ」ほうが、満足しやすいことがうかがえます。

その他、食洗機が合わないと感じやすい理由には、次のようなものがあります。

  • 少量だと、まとめて洗うまで待つことになり、効率が悪い
  • 食器を並べるのが面倒、予洗いが手間
  • 入れられない食器が思ったより多い
  • 洗い終わるまでに時間がかかる、庫内の掃除が必要
  • キッチンの収納を1か所分、犠牲にした(後付けの場合)

光熱費と初期費用の数字

光熱費:パナソニックの公式ページの試算では、1回あたり、食洗機は約33円(電気代と水道代)、手洗い(お湯)は約57円(水道代とガス代)です。1日2回使うと、年間で約2万3,100円の節約になります。使う水の量も、食洗機が約9.9L、手洗いが約75Lです(40点・約5人分の食器の場合)。詳しくは食洗機の電気代・水道代の記事をご覧ください。

初期費用:ビルトイン食洗機は、新築時で8万〜20万円、後付けで13万〜30万円が目安です(詳しくは後付け費用の記事)。光熱費の差(年間1万〜2万円台)だけで元を取るのは難しく、家事の時間が減る価値を、どれだけ重く見るかが分かれ目です。

5つの基準で判断する

次の5つを、自分の家庭に当てはめてみてください。

1. 洗う食器の量(家族人数) 4人前後で、1日2回洗うなら、食洗機の効果が大きく出ます。1〜2人暮らしで、洗う食器が少ないと、まとめるまで待つことになり、「少量だと効率が悪い」という不満につながります。

2. 自炊の頻度 毎日自炊する家庭ほど、鍋やフライパン、食器が増えます。外食や惣菜が中心なら、洗う量が少なく、効果は限られます。

3. 家事の時間の価値 共働きや、小さな子どもがいて、食後の時間が足りない家庭では、食器洗いの時間が減るメリットが大きくなります。時間に余裕があり、洗い物が苦にならない人は、価値を感じにくくなります。

4. キッチンの収納を犠牲にできるか 後付けの場合は、キッチンの収納を1か所分、食洗機のために使います。収納を優先したい家庭には、不向きな面があります。新築なら、最初から設計に組み込めるため、この問題は小さくなります。

5. 手洗いの負担(手荒れ・お湯の使用) 手荒れが気になる人や、お湯を出しっぱなしにして洗う習慣がある人は、食洗機の節水とお湯の節約の効果が出やすくなります。

判断の目安

当てはまる数目安
4〜5つ当てはまるつける価値が高い
2〜3つ迷うところ。工事不要タイプで試す、または先行配管で後から付ける
0〜1ついらない可能性が高い

迷うときの選択肢

新築で迷っている場合:給排水と専用電源だけ先に用意し、本体は後から付ける方法があります。先行して用意しておけば、後付けの工事費が交換並みの4万円前後まで下がります(詳しくは後付け費用の記事)。

工事なしで試したい場合:卓上のタンク式は2万円台から、分岐水栓式は3万円台からで、賃貸でも使えます。使ってみて合うかを確かめてから、ビルトインを検討できます(詳しくは食洗機は賃貸でも使えるかの記事)。

つけてから後悔したくない場合:容量不足や使い方の失敗は、ビルトイン食洗機で後悔するケースの記事で整理しています。深型・浅型の選び方は、選び方の記事をご覧ください。

まとめ

食洗機が「いらない」か「必需品」かは、家族の人数、自炊の頻度、家事の時間の価値、収納、手洗いの負担の5つで決まります。光熱費の差だけでは元を取りにくいため、時間の価値を含めて判断してください。迷うなら、先行配管や卓上タイプで、リスクを抑えて試す選択肢があります。

よくある質問

Q. 食洗機は、本当にいらないですか?

A. 家庭によります。4人前後で毎日自炊する家庭では、家事の時間が減り、光熱費も手洗いより安く済みます。1〜2人暮らしや外食が多い家庭では、使わなくなることがあります。

Q. 食洗機を使わなくなる人は多いですか?

A. 2018年の調査(女性会員2,230人)では、食洗機を持っている人の約4人に1人が使っていませんでした。入居前から備え付けられていたものは、使われない割合が高い傾向がありました。

Q. 新築で食洗機をつけるか迷っています。どうすればよいですか?

A. 給排水と専用電源だけ先に用意し、本体は暮らしてから決める方法があります。後付けの工事費が、交換並みの4万円前後に下がります。

Q. 食洗機は、光熱費の面でお得ですか?

A. パナソニックの試算では、お湯を使う手洗いと比べて、1日2回使うと年間で約2万3,100円安くなります。ただし、初期費用の回収には長い年数がかかります。

関連記事